ビルや工場、商業施設、病院など、高圧で電気を受けている建物には「キュービクル(高圧受変電設備)」が設置されています。電力会社から届く6,600Vの電気を、建物で使える100V・200Vに変える、いわば建物の電気の心臓部です。
キュービクルは毎日休まず動き続けるため、年数とともに内部の機器が少しずつ劣化していきます。この記事では、更新を考える時期の目安と、実際の工事の流れを、電気設備工事会社の立場からわかりやすく解説します。
キュービクルの更新時期の目安
キュービクルは、変圧器・遮断器・保護継電器・高圧ケーブルなど、多くの機器の組み合わせでできています。そのため「キュービクル全体で何年」というより、機器ごとに更新の目安が異なると考えるのが正確です。
電気保安協会や日本電機工業会(JEMA)の資料では、機器の種類や設置環境によって差はあるものの、多くの機器でおおむね設置後15〜25年程度が更新の目安とされています。屋外に設置されている機器や、湿気・塩害・ほこりの多い場所では、劣化が早く進むこともあります。
なお、会計上の「法定耐用年数」は、実際に安全に使える年数とは別のものです。更新の判断は、年数だけでなく、点検結果や機器の状態をもとに行うことが大切です。
こんなサインがあれば、更新を検討するタイミングです
- 電気保安協会や電気主任技術者の点検報告書で、「要注意」「更新推奨」などの指摘を受けた
- キュービクルの外箱にサビや腐食、雨水の侵入跡がある
- 運転中に、以前と違う異音(うなり音)や焦げたようなにおいがする
- メーカーから、部品の供給終了や保守終了の案内が届いた
- 建物の増築や設備の増設で、使う電気の量が増える予定がある
特に、点検で指摘を受けたまま使い続けると、故障による突然の停電につながるおそれがあります。高圧設備の事故は、自社の建物だけでなく、周辺の地域まで停電させてしまう「波及事故」を起こす可能性もあるため、早めの対応が安心です。
古い機器はPCBの確認も
古い変圧器やコンデンサには、有害物質のPCB(ポリ塩化ビフェニル)が含まれている場合があります。低濃度のPCBを含む機器は、2027年3月31日までに処分することが法律で定められています。機器の銘板や製造年を確認し、心当たりがある場合は、更新とあわせて早めにご相談ください。
キュービクル更新工事の流れ
- 現地調査:既存のキュービクルや配線、設置場所、搬入経路を確認します。
- 設計・お見積り:点検結果やご要望をもとに、更新する機器の範囲や容量を決め、お見積りをご提示します。
- 工事計画・各所との調整:停電する日時を決め、電気主任技術者(保安協会)や電力会社などとの調整を行います。
- 更新工事(停電作業):停電させた状態で、機器の入れ替えや配線の接続を行います。
- 試験・送電:絶縁や動作の試験を行い、安全を確認してから電気を送ります。
- 完了報告:試験結果などをまとめてご報告します。
営業や生産を止めないための工夫
キュービクルの更新には、多くの場合、建物全体の停電が必要です。そのため、店舗やオフィス、工場などでは「いつ停電させるか」が大きなポイントになります。
- 休業日や夜間に停電作業を行う
- 事前の準備を徹底し、停電時間をできるだけ短くする
- 必要に応じて仮設の発電機を用意し、止められない設備に電気を送る
NY電気では、こうした段取りを含めて計画を立て、お客様の業務への影響を最小限に抑える施工を大切にしています。
まとめ
- キュービクルの更新時期は機器ごとに異なり、多くの機器でおおむね15〜25年程度が目安
- 年数だけでなく、点検報告書の指摘や機器の状態をもとに判断する
- 古い機器はPCBの有無も確認する
- 停電の日時と段取りの計画が、工事をスムーズに進めるポイント
キュービクルの更新や点検で指摘を受けた設備について、「何から始めればいいかわからない」という段階でも大丈夫です。株式会社NY電気では、現地調査から設計・施工・施工管理まで一貫して対応しています。お見積り・現地調査は無料ですので、お問い合わせフォームまたはお電話(045-633-8723/平日9:00〜17:00)からお気軽にご相談ください。

